Guiddeとは

Guiddeは、PC画面の操作を録画すると、AIが手順ごとの動画マニュアルに変換する動画ドキュメントのプラットフォームだ。

デザインや動画編集の経験がなくても、業務の説明動画を作れることを売りにしている。出典

ストーリー

創業から成功に至るまでの道のり。

説明できない業務が、いちばん高くつく

Yoav EinavとDan Saharは、2020年にGuiddeを創業した。

新型コロナウイルスの感染拡大で対面の説明が難しくなった時期に、企業が社内のノウハウを共有できずにいることを見て、動画で業務を伝える仕組みを作ることにしたと公式のメディアキットで説明している。出典

2人が着目したのは、ソフトウェアの機能そのものではなく、その使い方を伝える手段の不在だった。

Einavは2023年の発表で「今日のソフトウェアに欠けているのは、効果的なナビゲーションシステムだ」と述べている。出典

「ソフトウェアのWaze」という設計思想

Guiddeが掲げたのは「ソフトウェアのためのWaze」という比喩だった。

地図アプリが現在地から目的地まで案内するように、動画がアプリの操作をその場で案内するという考え方である。出典

当時の動画制作は、複数のツールと複数の担当者をまたぐ分業だった。

画面収録、字幕、ナレーション、編集を経て1本の動画ができるまで数週間かかることも珍しくない。

Guiddeはこの工程を、生成AIによるストーリー構成とナレーション生成で置き換えた。出典

ローンチから1年でSeries Aへ

製品を2022年に出したGuiddeは、1年後の2023年10月にNorwest Venture Partnersがリードする$11.6MのSeries Aを発表した。

調達総額は$15.6Mとなり、500以上の組織が利用していた。出典

この時点でPerforceのサポート責任者は、従来は複数ツールと数時間を要した動画制作が5分未満で終わるようになったとコメントしている。出典

制作から配信へ、2025年の転換

2025年2月、GuiddeはQualcomm Venturesがリードする$15Mの追加調達を発表し、調達総額は$30Mになった。

同時に発表したGuidde Broadcastは、アプリの中に動画を埋め込み、利用者の役割や場所に応じて必要な教材を自動で出し分ける製品だった。出典

Einavはこの発表で「AIは動画制作を助けるだけでなく、デジタルアダプションそのものを自律的に動かす段階に入った」と語っている。出典

制作の自動化から、配信の自動化へと価値の中心を移した転機である。

数字が示す現在地

同じ発表では、直近12か月で売上が4倍になったこと、利用者が10万人、導入組織が2,000を超えたことが示された。出典

公式サイトの会社情報では、その後さらに伸びて20万人以上が利用し、5,000社以上が顧客、累計5億分以上の動画が作成され、調達総額は$80Mと記載されている。出典

動画マニュアルという地味な領域から、デジタルアダプション基盤へと事業の輪郭を広げた形だ。

独自分析

PMF (プロダクトマーケットフィット)

Guiddeが刺さるのは、新しいSaaSや社内システムを入れたのに現場が使いこなせない、という痛みだ。

動画マニュアルは有効だと分かっていても、制作には編集スキルと時間が要る。

Guiddeは操作を録画するだけでAIがナレーションと字幕を付け、手順ごとの動画に変換するため、専任の動画担当がいないチームでも内製化できる。出典

さらに、作った動画をアプリ内やナレッジベースへ配信し、視聴状況を分析できる点が、単発の動画制作ツールとの差になる。

制作、配信、改善を1つの製品で回せるため、問い合わせ対応や入社研修のように更新が頻繁な用途ほど効果が出やすい。出典

参入障壁 (Moat)

録画から配信までのワークフロー、スペース単位の権限設計、SOC 2 Type 2などの企業向け統制が組み合わさった点が防御線になる。

単体の録画ツールでは代替しにくい運用知見が蓄積される。出典

ネットワーク効果

弱い。

動画は社内や顧客向けに閉じて共有されるため、利用者間の直接的なネットワーク効果は限定的だ。

ただし組織内でスペースと教材が増えるほど置き換えコストが上がる、データ蓄積型のスイッチングコストは働く。

ターゲット

カスタマーサポート、セールスエンジニア、L&D、業務改善の責任者。

とくに専任の動画担当やテクニカルライターを置けない中堅企業で、更新頻度の高い手順を抱えるチーム。出典

成功要因

第一に、録画だけで完結する導入摩擦の低さ。

第二に、制作から配信、分析までを1製品にまとめたこと。

Perforceは動画制作を4時間から2分へ短縮し、ナレッジ記事200本を3週間で作り直した。出典

第三に、2025年にGuidde BroadcastでAIによる自動配信へ踏み込み、制作コスト削減の先の価値へ広げたことだ。

失敗・課題

ARRや解約率、地域別構成は非公開で、成長の質は外部から検証しにくい。

動画マニュアルは製品のUI変更で陳腐化しやすく、更新責任者の設計を誤ると資産が負債になる。

Enterpriseでは個人情報の映り込みや権限管理が導入の障壁になり、Loomなど気軽な動画共有ツールとは価格と手軽さで比較されやすい。出典

グロース戦略

無料プランとProで個人・小規模チームを取り込み、Businessでチーム利用へ広げ、Enterpriseで全社導入を狙うランド・アンド・エクスパンド型だ。

2025年以降はGuidde Broadcastを軸に、制作ツールではなくアプリ内配信の基盤として売る方向へ移っている。

Product Huntでのローンチや比較ページによる検索流入も組み合わせている。出典

主要チャネル: product-led, content-seo, partner, enterprise-sales

学べること

AIで生成物を作る製品は、生成の速さだけでは定着しない。

作った後の配信、権限、更新までを設計した製品が現場に残る。

Guiddeは制作の自動化から配信の自動化へと段階的に価値の中心を移しており、機能追加の順番そのものが成長戦略になっている。

日本で展開するなら

日本では属人化した業務手順を動画で残す需要が強く、問い合わせ対応や基幹システムの操作研修と相性が良い。

ただし日本語ナレーションの自然さと、社内規程に沿った権限・保存先の設計が導入条件になる。

最初から全社展開せず、効果測定しやすい1部門で動画本数と問い合わせ削減を測る進め方が現実的だ。

主な競合

Timeline

創業から成功に至る道のり。転機ごとの収益・調達・バリュエーション (出典あり) も併記します。

  1. Yoav EinavとDan SaharがGuiddeを創業出典

  2. ローンチ出典

  3. 生成AIで画面操作を動画マニュアルに変える製品をローンチ出典

  4. Norwest Venture PartnersがリードするSeries Aを発表出典

    • 調達 $11,600,000
    • ユーザー 500
    • Series A
    • Norwest Venture Partners
  5. Qualcomm Venturesがリードする追加調達を発表し、Guidde Broadcastを投入出典

    • 調達 $15,000,000
    • ユーザー 100,000
    • Series A extension
    • Qualcomm Ventures
  6. 公式サイトに20万人超の利用、5,000社超の顧客、累計5億分超の動画作成、調達総額$80Mを掲載出典

    • ユーザー 200,000

ポジショニング

分析で挙げた競合プロダクトとの相対位置を示しています。

セルフサーブからEnterpriseまで持つが、単体の録画ツールではなく配信・管理まで含むプラットフォーム寄り

参考リンク

関連プロダクト

Collaboration / Productivity

Guru

Guruは、社内に散らばったドキュメントやチャットの会話から知識を構造化し、検証済みの「唯一の正」として人とAIエージェントの双方へ届けるknowledge layer。Rick NucciとMitchell Stewartが2013年にフィラデルフィアで創業し、Boomiで経験した「情報が古くなる」課題を出発点に、Chrome拡張から始まった。現在はSlackやブラウザ、MCP経由のAIツールへ、権限に沿った引用付きの回答を配信する。

United States · 2014 年 · 出典 21

#Slack#knowledge governance#MCP

AI Video / Audio

HeyGen

HeyGenは、本人の顔と声から作る「Personal Avatar」で、カメラの前に立たずにAI動画を作れるサービス。2022年7月の公開から178日でARR $1Mに到達し、2026年6月にはARR $200Mを突破した。3,000万人以上が利用し、Fortune 100の85%が研修・営業支援・多言語展開で採用している。

United States · 2022 年 · 出典 19

#API#AI video#video generation

Search / Productivity

Mem

Memは、ノート・会議・仕事の知識をAIで整理し、必要な文脈を検索・再発見できるAI workspace。フォルダやタグの手作業を減らし、captureからretrievalまでを一続きにする。

United States · 2019 年 · 出典 13

#AI#Productivity#Knowledge Management

Search / Productivity

Capacities

Capacitiesは、ファイルやフォルダではなく「オブジェクト」を単位に、ノート・人物・場所・タスクなどをつなげて扱うknowledge management platform。calendar、network、offline-first、AI assistantを組み合わせ、個人の思考と情報の再利用を支える。

Germany · 2020 年 · 出典 18

#Offline-first#AI#Bootstrapped